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2008年07月 アーカイブ

2008年07月09日

タネが詰まっていて手品のよう

バイオプレゼンスという作品がある。

以下リンク先から引用

人のDNAを抽出し,DNAマニフォールドアルゴリズム(生命自体に変異を起こさせることなく,塩基配列のみ組みかえる)によりコード化し,木の内側に保存する
という作品(商品?サーヴィス?)だ。

木をメディアに人間のDNAのアーカイヴを行う、というのはなかなか気が利いてる。
既存のCDやDVDメディアに比べたら、
木は長生きで丈夫だから、アーカイヴ先としては結構アリと言える。
セコイアとかを使えば、樹齢1000年もいけるはず。

死んだあともあなたのDNAを長く残すことができるのですよ。
と言われたら、つい残してしまう金持ちが何人かいそうだ。ドバイあたりに。

僕自身は「今あるものをできるだけ先まで保存する目的」のアーカイヴ以外にも
他の試みがあってもいいと思う。
そう思って取り組んだのが、Lib-LIVE!だったり、pictlogueだったりする。
システムとしては、インプット→プロセス→アウトプットとなるのがまっとうな気がするからだ。
インプットすると何かを生んだり、
変化していくアーカイヴシステムというのがあってもいいなといまだに思っている。

たとえばこんな。

「なんとなく死を伝えるシステム」
system001.jpg
このシステム用にカスタマイズされた
植物の種がカプセルに詰まっている

system002.jpg
外科手術で身体にカプセルを埋め込む

system003.jpg
カプセルを内包したまま冒険の旅に出る

system004.jpg
斃れ死ぬ

system005.jpg
芽が生える
カスタマイズ植物がなので、誰が持っていた種か分かる

system006.jpg
100年後、森になる。
みんながこのとき、この森はあの人の・・・と気づく。


変化したらアーカイヴでは無いというツッコミは無しの方向でお願いします。

バイオプレゼンスを枕にもってきたけど、
本当は口笛から思いついたりして。

Creative Commons License
なんとなく死を伝えるシステム by NAKAMURA, Takayuki is licensed under a Creative Commons 表示-非営利-改変禁止 2.1 日本 License.

2008年07月11日

らくがき20080712

KICX70652_.jpg

2008年07月17日

連続ケータイ小説 オーヴァーナイト・センセーション 第三話

たいへんおまんたせいたしました。

ごく一部の方々から好評をいただいているシリーズの新作です。

※知らない方のために説明※

僕がこのブログで3、4ヶ月前に小説を書き始めたんです。
するとね。
コアなユーザーがついちゃったんです。ええ。

みなさん、早く見たいとおっしゃっているにもかかわらず、
遅筆なため、第一話、第二話とアップしたところで
3ヶ月の時間を要してしまったわけです。
お待ちいただいてありがとうございました。

コメントとかいっぱいのこしてくれると、早く第四話が見れるんだからね!







連続ケータイ小説
オーヴァーナイト・センセーション


第一話はこちら
第二話はこちら
※第三話は第二話を読んでから、読み進めることをおすすめします。



第三話
「G-SHOCK」



『呼吸権 1-C カワシマ

 今は2050年、京都議定書を批准したりしなかったりした世界中の、今日に至るまでの二酸化炭素濃度をグラフにしてみると、なんとなくやっぱり右肩上がり。まるで、クフ王のピラミッドを作るときのナイル川からピラミッドまで続く長大な坂道みたいな角度でじょじょにじょじょに高みを目指している。
 ってなわけで、世の中に呼吸権なんて権利が生まれた。呼吸する権利、を買わなきゃ息吸ってるだけでも、もはや罪だよってワケ。愛せよ目の前の不条理を。
 この権利がマジびみょうに高いからほんと困る。年間10万。2年でトゥエンティサウザンドイェンって。iPhoneの利用料金なみじゃんよ。って思った若者がこの国にはゴマンといた。
 だからわたしは思ったの。
 ふたりして、くちづけあって、呼吸を分け合って生きていけば、半額ですむんじゃね~これがホントのラヴ定額

ってとこまで書いてハッとしてグッときた。

現代文の時間、作文書いてみてる。
この瞬間にセンパイの顔がチラついて、
その笑顔がまぶたのウラ。原稿用紙のウラ。ハルウララ。いや、もう夏だし。

と一人ノリツッコミしてたら、
「カワシマ、何、ニヤついてんの」
と、リトルワタナベ。リルワタ。リルキム
はは。こいつ身長、何ピコメートルだっけ?

「あー、うーん、まー、その、ね」
「ワケワカマツだなお前。そんなことより俺の作文聞けよ」
「聞く?」
「俺の新作のリリックてかライムだよ、メン」
「女子だし」
「いいから聞けよ」

『紫電改 1-C 渡邊

 空飛び 回る紫電改
 乗ってんのは 貴殿かい
 最後に 見たのは新年会・・・』

あ。
これ。
つらい。

「あのさあ」
「なんだよじゃますんな」
「わたしキスしちゃった」
「結局 死因は感電かい・・・・・ええ。誰と」
「センパイ」
「(゚o゚)」
「センパイ」
「w (゚O゚) w」
「センパイ」
「聞こえてる。聞こえてる。ああ、いや、おお、うん、なんていうか、元気出せよ」
「元気にきまってんじゃん」
「現金出せよ」
「オマエほんとオッサンな」
「いや、おお、うん、なんていうか、おれ、用事、思い出したわ」
「は」
「ちょっと後にするわ。教室を」
倒置法使わなくても。現代文の時間だからって。ってか授業中だけど」
「授業中だけど、とりあえず行くわ」

と言ってナベは教室から出て行く。フラり。

ひとり。
残されて。

ふわり。
風が教室を吹き抜けて。



つづく




第一話はこちら
第二話はこちら
※第三話は第二話を読んでから、読み進めることをおすすめします。

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