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連続ケータイ小説 オーヴァーナイト・センセーション 第三話

たいへんおまんたせいたしました。

ごく一部の方々から好評をいただいているシリーズの新作です。

※知らない方のために説明※

僕がこのブログで3、4ヶ月前に小説を書き始めたんです。
するとね。
コアなユーザーがついちゃったんです。ええ。

みなさん、早く見たいとおっしゃっているにもかかわらず、
遅筆なため、第一話、第二話とアップしたところで
3ヶ月の時間を要してしまったわけです。
お待ちいただいてありがとうございました。

コメントとかいっぱいのこしてくれると、早く第四話が見れるんだからね!







連続ケータイ小説
オーヴァーナイト・センセーション


第一話はこちら
第二話はこちら
※第三話は第二話を読んでから、読み進めることをおすすめします。



第三話
「G-SHOCK」



『呼吸権 1-C カワシマ

 今は2050年、京都議定書を批准したりしなかったりした世界中の、今日に至るまでの二酸化炭素濃度をグラフにしてみると、なんとなくやっぱり右肩上がり。まるで、クフ王のピラミッドを作るときのナイル川からピラミッドまで続く長大な坂道みたいな角度でじょじょにじょじょに高みを目指している。
 ってなわけで、世の中に呼吸権なんて権利が生まれた。呼吸する権利、を買わなきゃ息吸ってるだけでも、もはや罪だよってワケ。愛せよ目の前の不条理を。
 この権利がマジびみょうに高いからほんと困る。年間10万。2年でトゥエンティサウザンドイェンって。iPhoneの利用料金なみじゃんよ。って思った若者がこの国にはゴマンといた。
 だからわたしは思ったの。
 ふたりして、くちづけあって、呼吸を分け合って生きていけば、半額ですむんじゃね~これがホントのラヴ定額

ってとこまで書いてハッとしてグッときた。

現代文の時間、作文書いてみてる。
この瞬間にセンパイの顔がチラついて、
その笑顔がまぶたのウラ。原稿用紙のウラ。ハルウララ。いや、もう夏だし。

と一人ノリツッコミしてたら、
「カワシマ、何、ニヤついてんの」
と、リトルワタナベ。リルワタ。リルキム
はは。こいつ身長、何ピコメートルだっけ?

「あー、うーん、まー、その、ね」
「ワケワカマツだなお前。そんなことより俺の作文聞けよ」
「聞く?」
「俺の新作のリリックてかライムだよ、メン」
「女子だし」
「いいから聞けよ」

『紫電改 1-C 渡邊

 空飛び 回る紫電改
 乗ってんのは 貴殿かい
 最後に 見たのは新年会・・・』

あ。
これ。
つらい。

「あのさあ」
「なんだよじゃますんな」
「わたしキスしちゃった」
「結局 死因は感電かい・・・・・ええ。誰と」
「センパイ」
「(゚o゚)」
「センパイ」
「w (゚O゚) w」
「センパイ」
「聞こえてる。聞こえてる。ああ、いや、おお、うん、なんていうか、元気出せよ」
「元気にきまってんじゃん」
「現金出せよ」
「オマエほんとオッサンな」
「いや、おお、うん、なんていうか、おれ、用事、思い出したわ」
「は」
「ちょっと後にするわ。教室を」
倒置法使わなくても。現代文の時間だからって。ってか授業中だけど」
「授業中だけど、とりあえず行くわ」

と言ってナベは教室から出て行く。フラり。

ひとり。
残されて。

ふわり。
風が教室を吹き抜けて。



つづく




第一話はこちら
第二話はこちら
※第三話は第二話を読んでから、読み進めることをおすすめします。

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コメント (6)

TSURUOKA:

いや〜きてるね
キテル、キテル!

ここから、新しい小説の“カタチ“が生まれそうな予感をびんびん感じるよ


ただひとつ、気になるのが主人公のキャラ設定が急に曖昧になってるところ。
これも、戦略だったら中村君、僕はきみを加藤清正が生んだ天才とよぶよ!


次回が楽しみ、楽しみ。

なかむら:

さっそくコメントありがとう!
やる気がでるよ。

> ただひとつ、気になるのが主人公のキャラ設定が急に曖昧になってるところ。
> これも、戦略だったら中村君、僕はきみを加藤清正が生んだ天才とよぶよ!

二つ理由があって、
一つは、間が空いたので、作者自身がブレてる。
技量が足りなくてもうしわけない。
二つ目は、一応狙い。
詳細は理由は連載が終わって解説で語るよ。

第四話をお楽しみに!

けいこ:

つづき!つづき!

なかむら:

ちょっとまってて

TSURUOKA:

正直だね
飾らないきみが、僕は好きですよ。

よーし、こうなったら根気づよく一年でも二年でも待って
結果を見届けようではないか

楽しみにしています

なかむら:

実はこの話は次で終わりなんだけど、
次回作も構想中なので、楽しみにしてて!

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2008年07月17日 03:25に投稿されたエントリーのページです。

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