2007年10月01日

3日目 "Guzen グーゼン強制収容所"

この日は
マウトハウゼン強制収容所跡の近くにある、
グーゼン強制収容所跡の住宅街でやっているイベントに参加。
かつてここでもホロコーストの計画が実行された。

まず、記念館でiPodを渡される。
iPodを聞くと、右、左、まっすぐと指示が出て、
ところどころで、その場所に関するストーリーを聞けるというもの。
ドイツ語か英語しか選択できないので、もちろん英語を選択。

さてさて最後までいけるかな。

iPodを聞いて、歩きはじめると、
住宅街の中へ入っていく。

今は平和な住宅街。
忌まわしいことは何も無かったのような空間が広がっているが、
ところどころにある塀や、壁、建物が
昔のSSの住居跡だったり、
それをそのまま再利用して住宅にしていたりする。

ドイツ語は分からないけど、間に挟まれる会話が、
凄惨だったかつての出来事を訴えていることは分かる。

ホロコーストについては日本の南京問題のように否定説があったりする。
日本の場合もそうだけど、たった60数年で真偽すら分からなくなってしまう。
歴史というのは脆弱なものだと感じる。

そう考えると、
大昔からの歴史の文脈に乗せて作品を作るということすら
疑わなければいけないとも思ってしまう。

こういった歴史に対する懐疑、これってたぶん相対主義がもたらしたものだと思うのだけど、
(歴史を疑うなんて、そりゃ、絶対主義からじゃ生まれるはずがない)
これがここ最近まで(90年代以降)のアートの原動力の一つだったと僕は思う。
松井みどりさんなんかはマイクロ・ポップなんて言ってたし。

歴史を疑った結果、
よりどころが、「現実を生きている私自身」に向かうのは当然だ。
90年代以降の作家のスタイルは、
私の周りや、私が考えている「リアル」なことを吐き出す活動が
目に見えて多かったように思う。

でも、「私」ばっかりになっちゃうと、
最初はいいけど、だんだん、理解できなくなっちゃうんだよね。

その反動で、これからは歴史というか「物語」に回帰する時代になっていくのかなあ・・・

と、いろいろ考えながら歩いていると

・・・道に迷った。

なんとか、記念館までたどり着いて、
スタッフのぽっちゃり系のお兄ちゃんに「助けてくれ」というと、
苦笑いで「やっぱり迷ったか」みたいな顔をされた。
来年こそは英語をしっかり勉強してこよう。

さて、僕のリンツでの旅はこの日でお終いです。

最後になりましたが、
僕の旅にここまでお付き合いくださいましたみなさま。
ありがとうございました。

2日目 2 "FEED"

この日の夜は、FEEDというイベントを見に行った。

夜はFEEDというイベントに参加
hauhplazの広場からバスにのって郊外の古い施設へ向かう。

現地に着くと、
怪しい雰囲気!

スモークが炊かれていて、
映画の撮影で使うような巨大な扇風機が、
古い洞窟だかトンネルだかみたいなところへ空気を送り込んでいる。
戦時中の施設化何かだろうか。

無事で帰れるのか・・・

トンネルの途中に小さなホールみたいなところに案内される。
石造りで、少しジメッとしている。
スタッフから、何があっても訴えませんというような誓約書を書かされる。
できれば五体満足で帰りたい。

そしてFEEDが始まる。

イベントが始まると、
まずスモークが部屋中に充満しだした。
じょじょに隣の席も見えなくなり、
最後には眼前もすら見えなくなる。

周りに誰かいるのは知っているけど、
一人っきりな気がしてしまう。

そして、ピカピカと色とりどりのストロボが炊かれはじめた。
これはさすがに写真には写らない。

その光の中に、
グラフィカルなパターンが浮かんで見える。
実際に形を映しているのではなく、
視覚に刺激が与えられて、
網膜に直接パターンが浮かんでいるっぽい。

ポケモン事件も顔負けだ!

あっという間の30分が過ぎて、
煙が消えるまで待っていると、
「君、半分寝てたでしょ」と
隣に座っていたplaplaxの近森さんからツッコミが。

イベント前にワインを飲みすぎたようだ。

そうして2日目は終了。。。

2007年09月23日

2日目 1

起きると、
クリスタさんが作った朝食が!

こんなにお世話になっていいのだろうか。
このままIAMASの学生のフリをし続けてもいいのだけど。。。
正直に俺ら昨日が初対面なんだよと打ち明けると、
「ま、いいよ」みたいな感じで
リンツを出るまで泊めてもらえることになりました。

リンツは路面電車で移動する。
車内はこんな感じ。

さて、この日はアルス・センターとOKセンターを見た。
前回紹介したもの以外にもこんなものが。

これは日本のメディア芸術祭でも大賞取ってた。
KHRONOS PROJECTOR
これは動画で見たほうがわかりやすい。
ひとつの画面の映像なのに、手で押したところの周りだけ時間が変化する。

これは木の円盤から飛び出た金属を触って、他の人の手をタップすると、
シャンシャンと鈴の音や、楽器の音がする作品。
みんな楽しんでて、結局触れなかった。残念。

今日はここまで。

2007年09月20日

ARS Electronica 2007 初日

さて、ここからはオーストリア-リンツの雰囲気を伝えるために、
僕が旅した時間軸にそって
ARS Electronica 2007をご紹介します。

初日、オーストリアは前日夜から雨が降り続いている。
ドナウ川は荒れている。
大丈夫かこれ。

そういえば、この日からのホテルの予約を取っていない。
忘れてたというか、
思い出して予約しようとしたら、
どこも満杯で予約できなかったのだ。
リンツは人口20万人。
聞いた話によると、ARSのシーズンは人口が5万人増えるらしい。
そりゃ、予約取れないよね。
あわわ。どうしよう。

ま、なんとかなるか。

リンツに着くと、雨はだいぶ落ち着いていた。
リンツの町は路面電車が走っていて、
アルスセンターに行くのも路面電車を使う。
ふらふらと町をぶらついていると、

日本人らしき3人組を発見。
話しかけてみる。
すると、今年Degital Music部門でGolden Nica(最優秀賞)を受賞した
三輪眞弘さんが教授をやっているIAMASの関係者とのこと。

ああ、IAMASには友人がいたなあ・・・
これは使える!ということで、
友人の名前を出すと、知っているよという話になって、
しめしめと思い、
アルスのインフォメーションまで一緒に連れて行ってもらう。

インフォメーションで僕の名前を告げると、
あっさりとアーティストパス(入場券をまともに買うと1万円くらいかかるらしい)をもらえた。
・・・わけではなく、
なんと、名簿に僕の名前が無かった。
アルスの担当者にが間違えていたみたい。
運よくプレスの名簿には名前が載っていたため、
プレスで動き回ることにした。

ついでに一緒にいた三人も、
俺のスタッフだよ!と言ってフリーパスを出してもらう。
ここで、利用されたのは僕の方だったのだと気づいた!
さすがIAMASだ。

結局、最後までアーティストパスは発行されず、
しょうがないから自分で書いてみたりした。

授賞式ではIAMASの三輪さんにお会いした。
以前、一度会っていたので、
図々しくも、パーティにお邪魔させてもらうことに。

三輪さんのゴールデン・ニカ像

どこまでプレスで写真を撮っていいのだろうか。
アルスのスタッフもいるから、ここまではOKのはずだ。

ためしに持たせてもらったのだけど、
ゴールデン・ニカ像は、重くもなく、軽くもなく
手にフィットする感じでした。

出品者のplaplaxの近森さん久納さんと筧さんもいた。

今回は「匂い」を感知して映像が変化する作品をアルス・センターで展示しています。

このあとは、
初対面なのにリンツ美術工芸大学のクリスタさんのお宅に泊まれることに
IAMASの方々と友人になっておいて良かった!
クリスタさんは以前、IAMASでも教えていたそうです。

この日はこのまま就寝。
いろいろあった初日でした。

2007年09月10日

Marien Street

Marien Streetでは
変な作品がそろっていました。

IMGA0231.jpg
これは日本人の作家のかたで、
手に持っている傘を振ると、
シャキン!シャキンとチャンバラのような音がでます。

IMGA0238.jpg
アイスクリームの機械にマイクがついています。
これは15秒間声を吹き込むと、
その声から幸せの度合いを分析して、
それに比例してアイスの量が変わるというものです。
幸せが少ない人にはアイスが沢山出てきて、
幸せになれるそうです。

僕はアイスが少なかったので、きっと幸せなんじゃないかなあ。

IMGA0248.jpg
こちらは水の力で機械の手足がガッチョンガッチョン動きます。
動いてる様子は不気味の一言。

OK Offennes Kluturhaus Oberosterreich での展示

ここではCYBER ARTS部門の展示が行われています。

IMGA0096.jpg
このドラム式洗濯機は、
中に野菜などを入れて、
酸などの薬品を投入して動かし、
人間の胃のプロセスを再現する作品です。

ドラムの前に置いてあるのはそれで出来た成果物。。。つまり、アレ。

KICX4904.jpg
こちらの作品は
パフォーマンス作品です。
男の人が紙をなぞると、、、、紙の上に文字が現れるという作品です。
この日はビデオしかみれませんでした。
すいません。。。

KICX4917.jpg
こちらもパフォーマンス。
直立している女性に手を触れると、
投影されている格子状の映像がウニョウニョ動きます。

ARS Centerでの展示

ARS CenterはOK Centerと並ぶ
ARS Electronicaのメインの施設で、
ここで、今年の招待作品のいくつかが展示されています。
arscenter.jpg
現在は写真左の建物に移転しています。
以前の建物(写真右)はドナウ川の向こう側にあります。

こちらでお世話になった
クリスタさん(リンツ美術工芸大学 教授)にお聞きしたところ、
「2年後に元の場所に戻るよ」とのことでした。

ここで見たのは、
こんな作品。

a001.JPG
テーブルの上に物を置くと、
その場所にあわせて、
音楽が生成されるという作品

saveyourself.JPG

こちらは日本人の作品で
耳の後ろに電極みたいなのを当てて、
水の上に浮かぶ人形を揺らすと、
自分自身も揺れるという作品。

詳しくはこちら


2007年09月09日

ARS Electronica 2007 今年のテーマ

今年のテーマは
「GOODBYE PRIVACY」
gooby_p.jpg

いまいち英語が読めないので、
Googleをはじめとするここ最近のテクノロジーで
「公」と「個」の垣根が変質していることを揶揄しているのか、
それとも新しい関係を構築することを目指しているのか、
意外と迎合しているのか、
どうなんだろう。よくわからない。

帰ったらカタログをじっくり見てみよう。

2007年09月08日

リンツにつきました

7日午前リンツに着きました。

いろいろトラブルがあって、
更新ができなかったのですが、
やっとできるようになりました。

この二日でいろんなことがあったんですが、
まずは気になった作品をいくつか。
のちほど詳しいレポートをアップします。

これは日本の作家さんの作品です。
赤いボールを持って会場を歩くと、
ボールの場所に蝶が集まってきます。
IMGA0028.jpg

これは宙吊りになって3D空間を自由に飛びまわれるという作品
KICX4698.jpg

これは僕の作品がアーカイブされた電子本
KICX4701.jpg


ミュージック部門で
ゴールデン・ニカ(最優秀賞)の三輪さんとのツーショットです。
手振れは僕のせいではありません

最後は飛行機から見た空

それではのちほど更新いたします。

2007年09月06日

出発直前

アルス・エレクトロニカはオーストリア、リンツで行われます。
準備が、、、

出かける前に
wiiのお天気地球儀で現地の気温をチェック
KICX4539.JPG
最高気温11度!
いまいち上着は何を持っていけばいいかわからない。

今日、明日は更新できないと思います。

それではまたあさって。